この記事では、生命保険の中の1つである養老保険について、他の生命保険の種類との違いを含めてわかりやすく解説していきます。
養老保険は被保険者が死亡したときだけでなく、満期まで生存していたときにも保険金が支給される生死混合保険に属される生命保険です。
FP試験でもたくさん出題されているため、これからFP試験を取得したいと思っている方や、生命保険の加入を考えている方はぜひ覚えてください。それでは最後までよろしくおねがいします!
- 養老保険とはなんぞや?
- 養老保険の福利厚生プランについて
- 定期保険や終身保険など、他の生命保険との違い
- 過去に出題された養老保険の問題で理科度チェック
養老保険とは
養老保険とは、被保険者が保険期間中に死亡した時、あるいは高度障害状態に陥ったときに死亡保険金が支給されるだけではなく、保険期間終了(満期)まで生存していた場合は満期保険金が給付される生命保険の一つです。
死亡保険金と満期保険金は同額となっており、一時払い養老保険など予定利率の高いものは貯蓄性が高くなっています。
保険期間は予め決まっており、10年や15年などの期間が設定されている年満了と、60歳までとか70歳までなど年齢で区切られている歳満了の2種類があります。
養老保険の福利厚生プランとは
養老保険の中で以下の3つの条件を満たすものを養老保険の福利厚生プランと呼ばれます。
- 契約者と満期受取人を法人
- 被保険者を全役員・従業員
- 死亡保険金の受取人を被保険者の遺族にしている
福利厚生プランの狙いとしては、貯蓄機能として退職後の資金のための積立という側面と、保障機能として不測の事態への備えとしての側面があります。
また、支払った保険料のうち2分の1は保険料積立金として資産計上し、残りの2分の1は福利厚生費として損金算入とします。つまりは税負担にかかるのは半分なので、養老保険のことをハーフタックスプランとも呼ばれます。
- 生死混合保険で保障機能と貯蓄機能のどちらも備わっている生命保険
- 福利厚生プランと呼ばれる契約者と満期受取人が法人のプランが有る
- 支払った保険料の半分は損金算入し、税負担がかからないのでハーフタックスプラントも呼ばれる
養老保険以外の保険の種類
養老保険以外の生命保険には定期保険や終身保険など、様々な種類の生命保険があります。
「死亡したときに保険金を支給されるタイプ」や「保険期間終了の満期まで生存していた場合に支給されるタイプ」といった違いがあり、FP試験ではこの違いを理解しているかを問うケースの問題が多いため、まずはそれぞれどのような保険金受取があるのかを解説していきます。
保険金の受取の違い
保険には、保険金の受取方法によって死亡保険・生存保険・生死混合保険の3つに分類されています。
死亡保険は被保険者が死亡した場合に限り、保険金が支払われる保険制度です。死亡保険には定期保険や終身保険、定期保険特約付終身保険が属しています。
生存保険は被保険者が保険期間の満期まで生存していた場合に、保険金が支払われる保険制度です。生存保険には貯蓄保険や個人年金保険などが属しています。
生死混合保険とは上記の死亡保険と生存保険のどちらの場合にも保険金が給付される保険制度です。生死混合保険には今回解説している養老保険の他に、学資保険などがあります。
- 死亡保険 ➾ 死亡した時や高度障害状態になった時に保険金が支払われるタイプ
- 生存保険 ➾ 満期まで生存していたときに保険金が支払われるタイプ
- 生死混合保険 ➾ 死亡した時も、満期まで生存していた時もどっちも支払われるタイプ
定期保険とは
定期保険とは、被保険者が保険期間内に死亡したり、高度障害状態に陥ったときに保険金が支給されるタイプの生命保険です。
通常、保険期間の満期まで生存していた場合に支給される満期保険金がない分掛け捨ての保険となっており、他の保険よりも保険料が安くなっているのが特徴です。
- 保険期間内に死亡・高度障害状態で保険金が支給される
- 満期保険金は支給されない ➾ 掛け捨てと呼ばれる
- 他の保険よりも保険料が安く設定されている
終身保険とは
終身保険とは、保険期間が一生涯続くため、被保険者が死亡したり、高度障害状態になってしまったら必ず保険金が支給されるタイプの生命保険です。
定期保険と同様に満期保険金がありませんが、長期間保険料を支払い続けると、解約したときにもらえる解約返戻金が増額するため貯蓄機能もあるのが特徴的です。ただ、早期解約をしてしまうと解約返戻金が支払った保険料よりも少なくなる可能性もあります。
終身保険のポイント
- 保険期間が一生涯続く、満期という概念のない生命保険
- 満期保険金はないが、長期間保険料を払うことで解約返戻金が増額する
- 早期解約をすると支払った保険料よりも解約返戻金が少なくなることもある
定期保険特約付終身保険(定期付終身保険)とは
定期付終身保険とは、定期保険と終身保険のサラブレッドで、保障は一生涯続きますが、それに加えて定期部分と呼ばれる保障が特約としてプラスされ、保険金額が高くなるタイプの生命保険です。
定期部分の保険料の支払いには全期型と更新型の2種類があり、全期型は加入時から保険料払込終了時まで終身保険に定期保険特約をつけるもので、更新型は10年や15年ごとに更新するかしないかを選べるタイプです。
保険金額が同じ場合、加入当初では定期部分の保険料は全期型のほうが高いのですが、更新型は、更新するたびに保険料が高くなるため、どこかのポイントで更新型のほうが高くなります。
定期付終身保険のポイント
- 終身保険に定期保険特約というプラスの保険金受取が可能な生命保険
- 定期部分の保険料支払いには全期型と更新型がある
- 更新型は更新するたびに保険料が高くなる
収入保障保険(生活保障保険)とは
収入保障保険とは、被保険者が死亡したり、高度障害状態になった場合に、保険金が年金形式、つまりは分割で支払われる生命保険です。
通常、年金形式(分割)の保険金を一時金(一括)として受け取る事もできますが、受取総額は年金形式で受け取るより少なくなります。
一般的に、保険金額が同額の定期保険よりも保険料が割安に設定されています。
- 死亡したり高度障害状態になると年金形式で保険金が受け取れる生命保険
- 一時金として保険金を受け取ることもできるが、受取額は割安になる
- 保険金額が同額であれば他の定期保険よりも保険料は割安
FP試験での過去に出題された問題で理解度チェック
① ➾ 法人
② ➾ 2分の1
死亡保険金と同額
福利厚生プラン
まとめ:養老保険は万一に備えつつ資産形成したい人向け
今回はFPでも大変多く出題されている養老保険について他の生命保険と比較しながら解説していきました。
貯蓄機能としての側面と保障機能としての側面の2つを持ち合わせているという部分を理解できていれば問題ないと思います。
- 養老保険は保障機能と貯蓄機能の2つを持ち合わせている
- 養老保険の福利厚生プランはハーフタックスプランとも呼ばれる
- 養老保険では、死亡保険金と満期保険金が同額