この記事ではFP試験の中でも出題されることの多い生命保険の種類についてわかりやすく解説していきます。
生命保険とは、被保険者が死亡あるいは高度障害になった場合に、保険金が支給されるタイプの保険のことで、種類が様々でFP試験でも過去に数多く出題されています。
生命保険にはどんな種類があって、それぞれがどんな種類の保険で、それぞれどんな違いがあるのかという部分についてわかりやすく解説していきますので最後まで読んでみてください!
- 生命保険の種類について
- 保険で出てくる基礎用語解説
- 定期保険や終身保険について
- かんぽ生命とは?
- 個人年金保険について
生命保険の種類をわかりやすく解説!!!
生命保険とは被保険者が死亡したり、高度障害状態になってしまったときに保険金が支給される保険制度のことです。
民間保険は保険の種類で第一分野から第三分野の3つに分類されており、生命保険は第一分野に属する保険です。
定期保険や終身保険などは聞いたことがある方も多いかと思いますが、今回は生命保険の種類に関してわかりやすく解説していきます。
保険の基礎用語まとめ
まずは今回当たり前のように使う保険の基礎用語について、以下の表にまとめておきます。
ちらっとみてわかる方はサラッと読み飛ばしちゃってください。
保険契約者 | 保険料を支払う人 |
保険者 | 保険会社のこと |
被保険者 | 保険の対象となる人のこと |
保険金受取人 | 保険契約者から保険金の受け取りを指定される人 |
保険金 | 被保険者が死亡あるいは高度障害の場合、満期まで生存していた場合などに保険会社から支払われるお金 |
告知 | 保険契約にあたって、被保険者などが保険会社に対して契約に影響を及ぼす可能性のあるような重要事実を事前に知らせること |
保険約款 | 保険会社と契約者間の権利義務関係を規定したもの |
契約のしおり | 保険約款の中で特に重要な部分をわかりやすく解説したもの 保険約款だけだと専門用語が多く分かりづらいため保険約款と合わせて交付する |
解約返戻金 | 保険を解約したときに戻ってくるお金 |
定期保険・終身保険など 保障重点型の保険
生命保険の中で保障を重点とした保険は、定期保険や終身保険と呼ばれます。
定期保険は保障重点型の保険
定期保険は満期までの保険期間中に被保険者が死亡または高度障害になった場合に保険金が支払われる保険です。
通常、満期保険金はなく、保険料は掛け捨てが中心で他の保険より安くなっています。生存給付金が支払われるタイプの保険もあります。
定期保険には、長期平準定期保険や逓増定期保険、逓減定期保険の3つに分けることができます。特徴は以下の表にまとめておきます。
種類 | 保険金 |
長期平準定期保険 | 満期までの期間が非常に長い保険保険期間中の保険金額は一定一定期間経過後は解約返戻金は減少していき、満期時にゼロとなる |
逓減定期保険 | 保険期間の経過とともに保険金額が減っていく |
逓増定期保険 | 保険期間の経過とともに保険金額が増えていく |
終身保険は保障重点型の保険
終身保険は保障が一生涯続く保険のことで、被保険者が死亡または高度障害になった場合に保険金が支払われます。
満期保険金はありませんが、長期間保険料を払い込んでから解約すると解約返戻金があるので貯蓄性もあります。ただし短期間で解約すると損失が出ることもあるので注意しましょう!
保険料の払込終了後であれば、死亡保障に代えて、介護保障や年金受取への変更が可能なものもあります。
定期付終身保険(定期保険特約月終身保険)
定期付終身保険は終身保険に定期保険を特約としてつけた保険です。
保障は一生涯で、定期保険特約の付いている期間に死亡した場合は終身部分と定期特約部分をあわせた保険金を受け取ることができます。
定期保険特約部分の保険料の支払いには全期型と更新型があります。
- 全期型 ⇒ 加入時から保険料払込終了時まで定期保険特約をつけて、終身部分の保険料の支払いが終わると更新できないタイプ
- 更新型 ⇒ 加入当初に10年とか20年まずはとりあえず定期保険特約をつけて、期間が満了したときに更新するタイプ
収入(生活)保障保険
収入保障保険は死亡や高度障害になった場合に保険金が年金形式で支払われる保険です。
年金形式とは、まとまったお金を分割して受け取る形式のことです。
一応、一時金形式としてまとめて受け取る事もできますが、この場合年金形式のときと比べてトータルの受け取り金額が少なくなります。
アカウント型保険(利率変動型積立終身保険)
アカウント型保険はライフプランの変化に応じて補償内容を見直しできる保険です。
払込保険料を保障部分(死亡保障)と積立部分(アカウント部分)に分けて自由に設計できるので自由設計型保険とも呼びます。
保険料払込終了後は、積立部分を年金として受け取ることができます。一般的に積立部分に適用される予定利率は市場金利に応じて見直されますが、最低保証があります。
養老保険や学資保険など 保障機能と貯蓄機能がある保険
養老保険とは??
養老保険は保険期間中に被保険者が死亡または高度障害になった場合に死亡保険金が支払われ、満期まで生存していた場合には満期保険金が支払われる生死混合保険です。
生死混合保険とは生存保険と死亡保険が合わさったタイプの保険で、満期まで生存していても保険金がもらえて、保険期間中に死亡してしまっても保険金が受け取れるハイブリッドな保険のことです。
養老保険の場合、死亡保険金と満期保険金の額は同額となっており、一時払い養老保険など予定利率の高いものは貯蓄性も高くなっています。
学資保険(こども保険)とは??
学資保険はこども保険とも呼ばれる保険で、子供の教育資金などを準備するための保険です。出生前加入特則によって子どもが生まれる前に加入できるものも存在します。
親が契約期間中に死亡したり、高度障害状態になるとm,以後の保険料の払込は免除となり、育英年金が支払われるタイプなど様々です。
例えば、順調に成長してくれて、教育資金が必要となった場合に進学準備金として保険金を受け取れたり、万一事故でケガをしてしまったときなどの保障も付いているハイブリッドな保険です。
投資型の保険(変額保険)とは??
変額保険とは、保険会社の運用実績によって保険金額が変動する保険で、資産の運用、管理は特別勘定(投資信託やその他有価証券などで運用)で行われます。
通常、死亡保険金については契約時の保険金額(基本保険金額)が最低保証されていますが、満期保険金や解約返戻金については、運用実績によって変動します。
そのため、必ずしもプラスに乗じるわけではないため、選択するときは注意しましょう。
個人年金保険
個人年金保険とは、予め決められた年齢から年金が支払われる保険です。年金受取り開始前に被保険者が死亡した場合は、すでに払い込んだ分の保険料相当額の死亡給付金が遺族に支払われます。
個人年金保険の種類
個人年金保険には、終身保険と保証期間月終身保険、確定年金、有期年金、夫婦年金の5つがあります。
特徴は以下のとおりです。
- 終身年金
- 被保険者が生存している限り年金が支払われる
- 保険料は一般的に男性より女性の方が高い(平均寿命が女性の方が長いから)
- 保証期間付終身年金
- 保証期間中に被保険者が死亡した場合、残りの保証期間は遺族に年金が支払われる
- 保証期間終了後は、被保険者がいきている限り年金が支払われる
- 確定年金
- 被保険者の生死に関わらず一定期間年金が支払われる保険
- 被保険者が年金受取期間中に死亡したら、残りの期間は遺族に年金(または死亡一時金)が支払われる
- 有期年金
- 被保険者が生存している間の一定期間年金が支払われる保険
- 被保険者が年金受取期間中に死亡した場合は、以後の年金は支払われない
- 同じ条件であれば保険料は確定年金より安い
- 夫婦年金
- 夫婦のどちらか一方がいきている限り、年金が支払われる
- 夫婦のどちらか一方が死亡しても年金額は一定(片方が死亡したから減額するとかはない)
変額個人年金保険
変額個人年金保険とは、資産の運用を特別勘定で行い、その運用実績により年金額が変動する保険です。
定額個人年金保険の運用は特別勘定ではなく、一般勘定(元本を保障した運用)で行われます。
死亡時の基本保険金(死亡給付金)は運用実績に関係なく、最低保障されています。途中で解約した場合の解約返戻金や満期保険金には保証はなく、運用実績により異なります。元本割れになる場合もあるので注意が必要です。
まとめ
今回は生命保険の種類に関して解説しました。
生命保険は、人間の生命に関する保険のため、人によって必要不必要が分かれる損害保険と違って皆が平等に向き合う必要のある保険となっていますので、この機会に知識をつけていきましょう!!
- 生命保険 ➾ 被保険者が死亡・高度障害状態で保険金が支払われる
- 定期保険 ➾ 満期がある生命保険
- 終身保険 ➾ 一生涯保険が続く生命保険
- 保障機能と貯蓄機能の2つの機能がある保険
- 養老保険 ➾ 生存で満期を迎えても保険期間中に死亡しても同額の保険金が同額
- 学資保険(こども保険) ➾ 進学準備金など貯蓄機能と死亡保険などの保障も備わっている