言語プロセッサとは?アセンブラ・コンパイラ・インタプリタの違いと特徴をやさしく解説!

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言語プロセッサの種類とコンパイラの仕組み

「アセンブラ・コンパイラ・インタプリタの違いがわからない…」
「言語プロセッサって試験によく出るけど、正直ピンときてない…」

テキストを読んでもなかなか理解できないそこのあなたへ、この記事では、基本情報技術者試験の頻出テーマ「言語プロセッサ」について、図解や具体例を使って初心者にもわかりやすく解説していきます。

アセンブラ・コンパイラ・インタプリタの仕組みの違いだけでなく、実際にどのプログラミング言語がどのプロセッサを使うのか、どんな場面で使い分けるのかまでを網羅することでより、イメージがしやすい構成にしてます!

さらに、試験でよく問われる出題パターンや過去問傾向、独学者向けの学習法も紹介しているので、試験合格を目指している人はぜひ最後まで読んでみてください!

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言語プロセッサとは?アセンブラ・コンパイラ・インタプリタの違いを図解で解説!

プログラミング言語で書かれたコードは、そのままではコンピュータに理解されません。なぜなら、コンピュータが読み取れるのは「機械語(0と1のビット列)」だけだからです。このギャップを埋める役割を果たすのが言語プロセッサです。

言語プロセッサとは、人間にとって読みやすい高水準言語(例:C言語やPython)を、コンピュータが理解できる機械語(0と1だけのビット列)へ変換するソフトウェアの総称です。主な種類には、次のようなものがあります。

高水準言語と低水準言語の違い

言語プロセッサの種類-高水準言語と低水準言語

それぞれの言語プロセッサにはメリット・デメリットや使い分け方があり、基本情報技術者試験でも頻出テーマです。簡単に違いをまとめておきます。

アセンブラ・コンパイラ・インタプリタの違い

項目アセンブラコンパイラインタプリタ
処理対象アセンブリ言語
(低水準言語)
高水準言語(例:C、C++)高水準言語(例:Python、JavaScript)
翻訳タイミング実行前に一括翻訳実行前に一括翻訳実行時に1行ずつ解釈
実行形式機械語(目的プログラム)を生成して実行実行ファイル(バイナリ)を生成してから実行ソースコードをその場で解釈・即時実行
実行速度高速
(機械語を直接実行)
高速
(最適化された実行ファイル)
遅め(都度解釈しながら実行)
デバッグのしやすさ比較的しにくいやや手間がかかるしやすい
(実行中にエラー箇所を特定しやすい)
エラーチェック基本的に開発者が確認
(低水準のため)
実行前にまとめてチェック実行中に逐次エラー検出
主な使用場面・組み込み開発
・ハードウェア制御 など
・商用ソフトウェア開発
・システム開発
・スクリプト処理
・簡易ツール
・学習用途 など
代表言語アセンブリ言語
(x86, ARMなど)
C、C++、Go、Rust などPython、Ruby、JavaScrip tなど
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「違いが覚えられない…」「結局どれがどんなときに使うの?」と悩んでいる人は、まずはそれぞれの言語プロセッサの役割から見ていきましょう👇

アセンブラとは?アセンブリ言語を機械語に変換する仕組み

言語プロセッサの種類①:アセンブラ

アセンブラアセンブラ言語と呼ばれる、ほぼ機械語で書かれたソースコードを翻訳して機械語に変換するソフトウェアのことです。

アセンブラ言語は、ビット列の機械語に記号を付けたくらいでほぼ機械語なので、低水準言語に属します。
午後試験の選択言語の一つにCASL Ⅱがありますが、CASL IIはアセンブラ言語です。

本講座では、選択言語はPythonをおすすめしているのでCASL IIにはあまり深くは触れませんが、CASL IIをおすすめしている著書も多いので読んでみるのもいいですね。

コンパイラとは?高級言語を一括で翻訳する変換処理

言語プロセッサの種類②:コンパイラ

コンパイラは、高水準言語で書かれた原始プログラムをコンピュータが理解できる機械語へ翻訳するプログラムのことです。

コンパイラがプログラムを翻訳することをコンパイルと呼びます。コンパイルを一度行うと、何度でも機械語で読み取ることができます。

そのためコンパイラの特徴として覚えてほしいのが、実行するまでには時間がかかる点と、実行速度が後述するインタプリタよりも高速な点です。

インタプリタとは?1行ずつ解釈して実行するプロセッサ

言語プロセッサの種類③:インタプリタ

インタプリタは、コンパイラと同じく高水準言語で書かれた原始プログラムをコンピュータが理解できる機械語へ翻訳するプログラムです。

ただし、コンパイラとの違いは、原始プログラムの命令文一文ごとに翻訳して実行する点です。コンパイラでは実行するまでには時間がかかると記述しましたが、インタプリタは実行するまでは早いのが特徴です。

そのためデバック(エラーの修正)しやすい反面、一文一文翻訳するせいで実行速度がコンパイラよりも遅いのも覚えておきましょう。

コンパイラでは、原始プログラムを翻訳して目的プログラムを作成するのですが、インタプリタでは一文のみの翻訳を繰り返しているだけなので、目的プログラムは作成しません。そのため実行するときは毎回解析を行う必要があり、実行速度が遅くなるのです。

インタプリタとコンパイラの違い

ジェネレータやクロスコンパイラなど、その他の翻訳支援プロセッサ

以下の言語プロセッサは、アセンブラやコンパイラほどは頻出ではないけれど、過去に1度は出題されていたり、選択肢の中に紛れ込んでいる言語プロセッサなので触れておきます。

その他の翻訳支援プロセッサ

  • ジェネレータ
    👉パラメータを指定してプログラムを自動生成する言語プロセッサ。
  • トランスレータ
    👉 処理系用に書かれた原始プログラムを他の処理系用プログラムへ変換する言語プロセッサ。
  • エミュレータ
    👉 ほかのコンピュータ用のプログラムを解読して実行するマイクロプログラム。
  • クロスコンパイラ
    👉 あるコンピュータ上で、異なる命令形式をもつ別のコンピュータで実行できる目的プログラムを生成する言語プロセッサ。
  • プリコンパイラ
    👉 言語仕様が拡張された擬似言語を用いた原始プログラムを、高水準言語の命令だけに書き換え、コンパイルできるようにする言語プロセッサ。

言語プロセッサごとの対応プログラミング言語を比較|C・Python・Javaの違い

「C言語はコンパイラ型?Pythonはインタプリタ型?…言語プロセッサって言われても、ピンと来ない」などIT初心者にとっては、カタカナが頻発しすぎて混乱しがちですよね。

そんなあなたも、具体的なプログラミング言語と結びつけて理解すれば一気にスッキリします。

プログラミング言語ごとに使われている言語プロセッサの種類(アセンブラ・コンパイラ・インタプリタなど)は異なり、その違いを知ることで「実行方式」「速度」「デバッグのしやすさ」などの特徴が見えてきます。

プログラミング言語とプロセッサの種類の関係

言語プロセッサ種別特徴
C、C++、Goコンパイラ型一括で機械語に翻訳し、高速に実行される
Python、JavaScriptインタプリタ型実行時に1行ずつ解釈、柔軟に動作できる
Java、C#中間型(JVM型)中間コードに翻訳され、仮想マシン上で動く
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ここからは「C言語やGoがなぜ“コンパイラ型”とされるのか」「PythonやJavaScriptのその場で実行する仕組み」と具体例付きで説明をしていくことで言語プロセッサの理解を深めていきましょう!

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コンパイラ型言語とは?C言語やGoの特徴とメリット

コンパイラ型言語とは、ソースコードを実行前に一括で機械語に翻訳してから実行する言語のことで、高速な処理高い最適化性が特徴です。

コンパイラという言語プロセッサは、ソースコード全体を事前にチェックし、エラーをまとめて検出してから目的プログラム(実行ファイル)を生成します。

コンパイラ型言語の例

  • C言語:組込み開発やOS開発でも利用される定番の高速言語
  • C++:C言語を拡張し、オブジェクト指向も扱える多機能言語
  • Go:並行処理やネットワークに強く、Googleが開発したモダン言語

C言語やC++は、コンパイル後に実行ファイルを生成して動作するため、大規模開発や速度重視のシステムで多く使われています。一方で、エラー箇所が複数あると全部を一度に直す必要があるため、初心者には難しく感じることもあります。

つまり、コンパイラ型言語は「実行速度の速さ」で選ばれるのです。特にC言語は、基本情報技術者試験でも頻出なので、言語プロセッサとの関係性を理解しておくことが得点源にもなります。

インタプリタ型言語とは?PythonやJavaScriptの実行方法と特徴

インタプリタ型言語とは、ソースコードを実行時に1行ずつ解釈して実行する言語で、開発の柔軟さ・エラーの特定しやすさ・スピード感のある修正が特徴です。

インタプリタという言語プロセッサは、コードをその場で一文ごとに翻訳して実行します。事前に全体を機械語へ翻訳しないため、コンパイラ型言語と比べると実行速度はやや劣りますが、変更したコードをすぐに試せる点で学習用途や小規模な開発に非常に向いています

インタプリタ型言語の例

  • Python:教育用途からAI開発まで幅広く活躍。構文がシンプルで学びやすい
  • JavaScript Web:ブラウザ上で動作。フロントエンド開発に必須
  • Ruby:簡潔な文法でスタートアップに人気。柔軟性が高い

つまりインタプリタ型言語は、「すぐに動かしたい」「素早く試したい」「初心者でもわかりやすい」を叶える実行方式です。

特にPythonは基本情報技術者試験の選択問題でも登場することがあるので、その実行方法(逐次実行)との関係を理解しておくと点につながりやすくなります。

中間言語を使う言語とは?JavaやC#におけるJVM・CLRの役割

JavaやC#は、中間言語を用いたハイブリッド型の言語です。ソースコードは一度中間コード(バイトコード)に変換され、その後仮想マシン(JVMやCLR)上で実行されます。

仮想マシン上で実行する仕組みによってOSやハードウェアに依存せず動作できるという大きな利点があるのが特徴です。

中間言語を使う言語例

言語プロセッサ構成特徴
Javaコンパイラ+JVM一度バイトコード化し、JVMで実行
C#コンパイラ+CLR(.NET環境)マルチプラットフォーム対応が強み

JavaやC#は仮想マシンが異なるOS間でコードを動かす橋渡し役となり、業務システムやアプリ開発に多用されます

つまり、中間言語型は「移植性」「安全性」「開発効率」を両立できる現代的な選択肢です。特にJavaは、基本情報技術者試験でも問われやすいポイントなので、「中間コード+JVM」という流れを図で理解しておくと得点につながります。

翻訳されたプログラムが実行されるまでの流れ|リンカ・ローダを図解で解説

原始プログラムが実行されるまでの流れ

言語プロセッサの種類(アセンブラ・コンパイラ・インタプリタ)を理解できたら、次に押さえておきたいのが翻訳されたプログラムがどうやって実行されるのか?」という一連の流れです

実は、コンパイラで翻訳された目的プログラム(オブジェクトファイル)は、そのままでは実行できません。「リンク処理」や「ロード処理」を経て、はじめてコンピュータ上で実行可能なロードモジュールへと変換されます。

この一連の作業には、「リンカ(リンク処理を行うプログラム)」と「ローダ(ロード処理を行うプログラム)」が深く関わっています。

ここで理解すべきキーワード

  • 原始プログラムと目的プログラムの関係とは?翻訳後のファイル構造を理解しよう
  • 動的リンキングと静的リンキング
  • リンカとは?翻訳後に必要な処理
  • ローダとは?実行可能ファイルを動かす役割
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「リンクって何をつなげてるの?」「ローダの役割がぼんやりしてる…」そんな疑問が残っている人は、この先を読んで翻訳されたプログラムが実行される一連の流れを理解していきましょう!

原始プログラムと目的プログラムの関係とは?翻訳後のファイル構造を理解しよう

原子プログラム(高水準言語で書かれたプログラム)は、コンパイラやアセンブラで翻訳されると、まずは「目的プログラム(オブジェクトファイル)」という中間的なファイルに変換されます。

コンピュータが直接理解できるのは機械語(0と1の羅列)ですが、目的プログラムはまだ「実行できる状態」ではありません。ライブラリなどと結合し、アドレスの調整を行ったうえで実行可能形式(ロードモジュール)へ変換する必要があります

原始プログラムがコンパイルされて目的プログラムへ変換され、その後さらに実行できるようにロードモジュールに変換されるまでの流れを理解することで、「コンパイル=即実行ではない」という重要な仕組みが見えてきます

特に、試験では「目的プログラムと実行ファイルの違い」が問われやすいため、ファイル構造を図解でイメージして覚えることが得点に直結します。

動的リンキングと静的リンキングの違いとは?

動的リンキングと静的リンキング

プログラムを実行するには「リンク処理」が必要で、その方法には静的リンキングと動的リンキングの2種類があります。それぞれの違いを理解することで、実行ファイルの構造やメモリ効率までイメージできるようになります。

リンクとは、目的プログラムとライブラリを結合する処理のこと。静的リンキングは実行前に結合を済ませる方式で、動的リンキングは実行時に必要なライブラリだけを読み込む方式です。この違いによって、実行速度やファイルサイズ、メモリ使用量などが変わります。

静的リンキングと動的リンキングの違い

項目静的リンキング動的リンキング
タイミング実行前に結合実行時に読み込み
実行速度高速
(あらかじめリンク済)
遅め
(その都度リンク)
実行ファイル大きくなりがち軽量化しやすい
メモリ効率すべて読み込む必要な分だけ読み込む
使用例専用ソフト
ゲームアプリ
OSの共通機能
ブラウザ
メディアプレイヤー

つまり、静的リンクは「安定性・速度重視」動的リンクは「柔軟性・軽量化重視」。基本情報技術者試験でもよく問われるテーマなので、「タイミング・ファイル構造・用途」の違いをしっかり押さえておくことが合格への近道です。

リンカとは?翻訳後に必要な処理

リンカ(Linker)とは、コンパイラやアセンブラによって生成された目的プログラムを結合・調整し、実行可能なファイル(ロードモジュール)を作成するプログラムです。

翻訳された目的プログラムは、まだ「完成形」ではありません。複数の目的ファイルや外部ライブラリを結合するために、アドレスの再配置やシンボル解決などのリンク処理が必要になります。この処理を自動的に行うのがリンカの役割です。

リンカが行う処理の流れ

  • 複数のオブジェクトファイル(目的ファイル)を1つに統合
  • 外部ライブラリ(静的リンク)との接続
  • アドレスの再配置(再配置情報の調整)
  • 未定義のシンボル(関数や変数)を解決

たとえば、あなたが電卓アプリを作るときに「電卓の画面」「計算する中身」「結果を表示する機能」をバラバラに作ったとします。それをひとつにまとめて「完成版のアプリ」にしてくれるのが、リンカの仕事です。

リンカはこのとき、部品の名前がかぶっていないか確認したり、正しい場所に部品が入るように調整してくれます。

つまりリンカは、「翻訳されたバラバラの部品をつなぎ合わせて完成品に仕上げる、職人のような存在」。試験では「リンク処理の目的」や「静的リンクとの関係性」が問われることがあるため、役割を明確に理解しておくことが重要です。

ローダとは?実行可能ファイルを動かす役割

ローダ(Loader)とは、完成した実行ファイルをコンピュータのメモリに読み込んで、実際に動かす準備をしてくれるソフトウェアです。

実行ファイルが完成しても、それだけでは動作できません。ローダが「どこに読み込むか」「どこから実行を始めるか」などの情報を確認し、必要な場所にプログラムを配置して実行をスタートさせるのです。この処理がなければ、CPUはどの命令から処理すればよいのか分からず、プログラムは動きません。

スマホでアプリをタップしたときの流れ

  • アプリ(実行可能ファイル)をメモリ上に配置
  • スタート地点(エントリポイント)を指定
  • 必要なデータやライブラリを一緒に準備

つまりローダは、「実行ボタンを押した後の裏方さん」として、プログラムの動作を影で支えているのです。試験では「ロード=メモリへの配置」「エントリポイントの指定」などが問われやすいので、役割をイメージで押さえておくと記憶に残りやすくなります。

コンパイルの流れをしっかり理解しよう!

コンパイルの流れ-原始プログラムが目的プログラムに変換するまで

コンパイラが原始プログラムを翻訳して、目的プログラムを作成するまでの流れの中に、頻出問題が隠れています。それが、コードの最適化です。

コンパイルの流れをしっかり理解しておくことでコードの最適化とは何を目的として何をすることなのかを理解していきましょう。

  • 字句解析
  • 構文解析
  • 意味解析
  • コード最適化
  • コード生成

コンパイルは以上の5ステップで行われます。

字句解析では命令文や変数、定数など意味のある基本単位に分解します。構文解析では、構文規則に誤りはないかどうかを判断し、誤りがある場合エラーメッセージを表示させて停止します。

意味解析では、基本単位から構文単位に解釈して、中間コードに変換して出力します。
このタイミングでコードの最適化を行います。

コード最適化は、実行速度を上げるなど、効率のいいコードになるように処理を行います。

イメージしやすいように、英語を日本語に訳すときの流れでコンパイルを説明してみます。

字句解析では、単語の意味を調べたりします。構文解析では文法を調べて、意味解析で大体の直訳を作成します。コードの最適化でもう少し自然な日本語になるように整えたら、翻訳文の完成です。

過去問を解いて今回の理解を深めよう!

ここまでの内容を自分の知識にするために、実際に過去問を解いて見ましょう。

わかりやすい解説も合わせて置くので、繰り返し解いてみてください。

各種言語プロセッサの説明のうち、適切なものはどれか。

ア. アセンブラは、ある処理系用に書かれた原始プログラムを、ほかの処理系用の原始プログラムに変換する。
イ. インタプリタは、ほかのコンピュータ用のプログラムを解読し、実行するマイクロプログラムである。
ウ. ジェネレータは、入力・処理・出力などの必要な条件をパラメータで指示することによって、処理目的に応じたプログラムを生成する。
エ. トランスレータは、高水準言語で書かれたプログラムを、解釈しながら実行する。

出典:平成19年秋期 問40

答え ウ

アセンブラは、アセンブラ言語で書かれたプログラムを機械語に変換する言語プロセッサです。処理系用に書かれた原始プログラムではないので不適切。処理系用に書かれた原始プログラムを他の処理系用の原始プログラムに変換するのはトランスレータの説明です。

インタプリタは、高水準言語を一文一文解析しながら実行する言語プロセッサのことです。他のコンピュータ用のプログラムを解読して実行するマイクロプログラムは、エミュレータと呼ばれる言語プロセッサの説明です。

ジェネレータは、パラメータを指定してプログラムを自動生成する言語プロセッサ。よって説明文は適切です。

トランスレータは、処理系用に書かれた原始プログラムを他の処理系用の原始プログラムに変換する言語プロセッサです。高水準言語で書かれたプログラムを解析しながら実行するのはインタプリタの説明なので不適切。

したがって答えはウです。

次の文はある二つの言語処理系について記述したものである。Bと比べたAの利点を記述しているものはどれか。

A:高水準言語で作成されたプログラムを、中間言語、アセンブラ言語又は機械語で記述されたプログラムに翻訳する。
B:原始プログラム中の命令文を一文ずつ解釈し、実行する。

ア. 処理の最適化が図れる。
イ. 対話的な実行環境が構築できる。
ウ. デバッグ機能を組み込みやすい。
エ. プログラム作成とテストを並行してできる。

出典:平成16年春期 問44

答え ア

まずは、AとBが何なのか。「高水準言語で作成されたプログラムを中間言語、アセンブラ言語、機械語で記述されたプログラムに翻訳する。」のはコンパイラの説明です。一方B「原始プログラム中の命令文を1分ずつ解釈し、実行する」のはインタプリタの説明です。

したがってこの問題は、インタプリタと比べてコンパイラの利点を選択します。

処理の最適化が図れるのはコンパイラの特徴です。インタプリタにはできない特徴ですので適切な選択肢です。

対話的な実行環境が構築できるのは、インタプリタの特徴です。コンパイラでは全て翻訳し終わるまで実行できないので対話的な実行環境は構築できません。よって不適切。

デバック機能を組み込みやすいのはインタプリタの特徴です。デバック機能とは、エラー修正がしやすい機能のことなので、対話的に実行できるインタプリタの方が優れています。よって不適切。

プログラム作成とテストを並行してできるのはインタプリタの特徴です。一文一文解読して実行するインタプリタでは、プログラムを書いてすぐにテストできます。よって不適切。

したがって答えはアです。

手続型言語のコンパイラが行う処理のうち,最初に行う処理はどれか。

ア. 意味解析
イ. 構文解析
ウ. 最適化
エ. 字句解析

出典:平成30年秋期 問19

答え エ。

コンパイラの処理の流れを理解しているかを問われています。

コンパイラの処理の流れは、以下の5ステップです。

  1. 字句解析
  2. 構文解析
  3. 意味解析
  4. コード最適化
  5. コード生成

英語を日本語に翻訳するときには、まず単語の意味を調べますよね?

コンパイラでも同じように、基本単位の解析から行いますので、一番最初に行うのは字句解析です。

したがって答えはエ。

リンカの機能として、適切なものはどれか。

ア. 作成したプログラムをライブラリに登録する。
イ. 実行に先立ってロードモジュールを主記憶にロードする。
ウ. 相互参照の解決などを行い、複数の目的モジュールなどから一つのロードモジュールを生成する。
エ.プログラムの実行を監視し、ステップごとに実行結果を記録する。

出典:平成30年秋期 問20

答え ウ。

リンカの機能の前に、リンカと出てきたら、原始プログラムを実行するまでの流れのことだなと瞬時に出てくるように覚えておきましょう。

原始プログラムをコンピュータが実行するには、コンパイルするだけではまだ不十分です。コンパイルして生成された目的プログラムだけではなく、他のライブラリなどと結合したり、アドレスを調整する必要があります。

リンカでは、目的プログラムとライブラリを結合したり、アドレスを調整する機能があり、無事、結合と調整が終わると、実行可能なロードモジュールが生成されます。

したがって答えはウ。

言語プロセッサの理解を深める学習方法3選|試験対策にも使える教材を紹介

「言語プロセッサの違いはなんとなく理解できたけど、実際に試験で問われたときにこたえられるか不安...」という方もまだまだ多いと思います。

ここからは、効率よく理解を深められる3つの学習方法を厳選して紹介します。言語プロセッサやプログラムの翻訳についての関連用語は、文章だけではイメージしにくく、試験にも頻出ジャンルです。

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まとめ

今回は、基本情報技術者試験で頻出の「言語プロセッサ」について、種類ごとの特徴や違いを初心者にもわかりやすく解説しました。特に出題率の高い「コンパイラ」については、処理の流れまでしっかり掘り下げています。

言語プロセッサごとの特徴に加え、「原始プログラム → 実行」までの一連の流れ、特にコード最適化の目的や仕組みは試験でもよく問われます。復習しながら理解を深めていきましょう。

言語プロセッサのまとめ

  • 言語プロセッサ とは?
    人間が書いたプログラムをコンピュータが理解できる機械語へ変換するプログラムの総称
    • アセンブラ 👉 アセンブラ言語で書かれたプログラムを機械語に変換する。
    • コンパイラ 👉 高水準言語を機械語へ翻訳する。コード最適化を行うことができるので実行速度がインタプリタよりも高速。
    • インタプリタ 👉 高水準言語を一文一文解析しながら実行する言語プロセッサ。
  • 原始プログラムが実行されるまでの流れ
    • コンパイラによって原始プログラムを変換し、目的プログラムを生成
    • リンカによって目的プログラムとライブラリを結合したり、アドレスを調整しロードモジュールを生成
    • 実行可能なロードモジュールを、実行!
  • コンパイルの流れは5ステップ
    1. 字句解析 👉 基本単位の解析
    2. 構文解析 👉 構文規則に従っているか解析
    3. 意味解析 👉 原始プログラムを中間コードに変換
    4. コード最適化 👉 実行速度を上げるなど、効率の良いコードに改良
    5. コード生成 👉 中間コードを機械語に変換して目的プログラムを生成
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