FP3級に合格する上で、抑えておきたい頻出問題の一つに係数の問題があります。
係数とは、計算するときに使うと簡単に計算することができる数値を予め用意しておいたものです。
予め用意しておいた係数を利用することで、計算過程を短く簡単に計算することができるようになります。
この記事では、FP3級試験で頻出している6つの係数の中から、どの係数を選択して計算するかを問われる問題を解けるようにわかりやすく解説していきます。
- 係数とは
- FP3級で頻出の6つの係数とは
- 6つの係数の違い
- 6つの係数が出題された過去問を解いてみる
FP3級頻出問題6つの係数が出てくるキャッシュフロー表
6つの係数は、FPの試験範囲の中で、ライフプランニングと資金計画のジャンルで出てくるキャッシュフロー表を作成するときなどに使う係数です。
キャッシュフロー表とは、現在の収支状況や今後のライフプランを元に、「将来の収支状況」や「貯蓄残高」を把握して、一覧表にまとめたものです。
「○年後の貯蓄残高はだいたい△円くらいになるだろう。」
ってのを計算するときなどに係数を用いることで、簡単に計算できるようにしています。
計算する対象によって係数は6種類あるので、どの係数をいつ使うのかを以下でしっかり解説していきます。
6つの係数をそれぞれ覚えよう
現価係数
一定期間後に目標金額を貯めるのに、現在必要な元本がいくらになるかを計算するための係数
目標金額 ✕ 現価係数
(例)
年利2%で複利運用し、10年後に100万円貯めるために、現在必要な元本はいくらかを計算する。
100万円 ✕ 0.820 = 82万円
終価係数
今手元にある元本を、一定期間複利運用したとき、最終的にいくらになるのかを計算するために使う係数
元本 ✕ 終価係数
(例)
100万円を年利2%で10年間複利運用したとき、最終的にいくらになっているかを計算する。
100万円 ✕ 1.219 = 121万9,000円
年金現価係数
一定金額を一定の間均等に受け取るために現時点で必要な金額を計算するための係数
受け取りたい金額 ✕ 年金現価係数
例)
年利2%で複利運用しながら、毎年100万円の年金を10年間受け取り続けるには、現在いくら必要かを計算する。
100万円 ✕ 8.983 = 898万3,000円
年金終価係数
毎年一定額を複利運用しながら、積み立てをした場合、一定期間後最終的にいくらになるのかを計算するための係数
毎年積み立てる金額 ✕ 年金終価係数
例)
毎年5万円を年利2%の複利で10年間積み立てたとき、最終的にいくらになっているかを計算する。
5万円 ✕ 10.950 = 54万7,500円
資本回収係数
一定金額を一定期間、均等に受け取ったり、返済する時1回の金額を計算するための係数
一定金額 ✕ 資本回収係数
例)
100万円を年利2%で複利運用しながら、10年間にわたって年金として取り崩す場合、毎年いくらずつ取り崩せるかを計算する。
100万円 ✕ 0.111 = 11万1,000円
減債基金係数
毎年一定額を積み立てていき、最終的な目標金額を達成するためには、毎年いくらずつ積み立てていけばいいのかを計算する時の係数
目標金額 ✕ 減債基金係数
例)
年利2%の複利で運用して10年後に100万円貯めるには、毎年いくら積み立てればよいか。
100万円 ✕ 0.091 = 9万1,000円
- 現価係数 👉 目標金額になるのに現在必要な金額
- 終価係数 👉 元本が最終的にいくらになっているか
- 年金現価係数 👉 一定金額ずつ受け取るのに現在必要な金額
- 年金終価係数 👉 一定金額積立ていくと最終的にいくらになっているか
- 資本回収係数 👉 取崩していく金額を求めるとき
- 減債基金係数 👉 積立金額を求めるとき
6つの係数の問題はどんな感じ?
FP3級の係数の表を暗記する必要は全くありません。
問題文を読んで、どの係数を使えばいいのかを問う問題と、選んだ係数で計算までの問題があります。
そのため、過去問を何問か解いて、それぞれの係数をいつ使うのかを理解していくのが、係数問題のコツです。
そして一度覚えてしまえば、点数を落とすこともなくなるでしょう!
過去問にチャレンジ!
元金を一定の利率で複利運用しながら、毎年一定金額を一定の期間にわたり取り崩していくときの毎年の取崩し金額を計算する場合、元金に乗じる係数は、()である。
1.現価係数
2022年1月試験 問31
2.減債基金係数
3.資本回収係数
答えは 3
現価係数は、一定金額を一定期間複利運用していき、目標金額貯めるのに今現在必要な金額を計算するときに使う係数
減債基金係数は、一定期間後に目標金額貯めるのにはいくらずつ積み立てていけばよいかを計算するときに使う係数
資本回収係数は、元本を複利運用している中で、一定期間で取り崩していったとき、いくらずつ受け取れるかを計算するときに使う係数
問題文は、「毎年の取り崩し金額を計算する場合」とあるので、答えは資本回収係数の3です。
一定の利率で複利運用しながら一定期間経過後に目標とする額を得るために必要な毎年の積立額を試算する際、目標とする額に乗じる係数は、()である。
1. 現価係数
2021年5月試験 問31
2. 資本回収係数
3. 減債基金係数
答えは 3
現価係数は、一定利率で複利運用し、一定期間後に目標金額貯めるに、現在必要な金額を求めるときに使う係数。
資本回収係数は、一定金額を複利運用しながら、一定期間で取り崩すとき、毎年の受取額を求めるときに使う係数。
減債基金係数は、一定期間後に、目標金額を貯めるために必要な毎年いくらずつ積み立てる必要があるかを求めるときに使う係数。
問題文にある「毎年の積立額を試算」とあるので、答えは減債基金係数の3
借入金額300万円、利率(年率・複利)3%、返済期間5年、元利均等返済でローンを組む場合、毎年の返済額は、下記の<資料>の係数を使用して算出すると、()である。
2021年1月試験 問31
1. 565,200円
2. 655,200円
3. 695,580円
答えは 2
問題文は借入金額300万円を利率3%運用、5年間で取り崩していく、という意味に変換できるので、使う係数は資本回収係数とわかります。
300万円 ✕ 0.2184 = 655,200円
答えは 2
まとめ
今回は6つの係数に関して解説しました。
FP3級の過去問を見ても、1題も出題されていない年がないほどに、頻出している問題なので、
このジャンルに関しては点数を落とさないようにしっかりと対策をしておきましょう!
対策におすすめなのは、FP3級過去問道場というサイトがおすすめです。
過去20年分くらいの過去問が無料で解き直すことができます。
是非活用してください!
また、当ブログでは1ヶ月でFP3級に合格するための頻出問題をまとめてあります。他の記事も是非読んでみてください!
- 6つの係数はキャッシュフロー表の作成で使う!
- 係数の種類は6種類
- 現価係数 👉 目標金額になるのに現在必要な金額
- 終価係数 👉 元本が最終的にいくらになっているか
- 年金現価係数 👉 一定金額ずつ受け取るのに現在必要な金額
- 年金終価係数 👉 一定金額積立ていくと最終的にいくらになっているか
- 資本回収係数 👉 取崩していく金額を求めるとき
- 減債基金係数 👉 積立金額を求めるとき
- 過去問を5年分くらい解いて対策しておこう!